難解な情報やメッセージも、グラフィックやアニメーションで視覚的に伝える「インフォグラフィック動画(映像)」。省庁の情報発信、企業のプロモーション・web広告や事業紹介、営業ツールから採用動画や医療情報の発信まで、幅広いシーンで活用が進んでいます。
何を隠そう、弊社はこの分野を10年以上前から経験を重ね、最大の得意分野としています。
この記事では、インフォグラフィック動画の基本から表現手法解説、実際の制作事例、そして制作を検討する際に押さえておきたいポイントまでを、制作経験豊富なディレクターの視点で解説いたします。
Index
インフォグラフィック動画とは、伝えたい情報やメッセージをイラスト・グラフ・図解・アニメーションといった視覚的な表現で伝える映像コンテンツです。利点は大きくわけて2つあります。
まず、文章やウェブサイトは、多くの情報量を詰め込んで、読み手が自分のペースで読み進められるメディアです。詳細な説明を伝えるのに向いていますが、かなり興味を持った状態でないと読み進めるモチベーションまでは持っておらず離脱もしがちです。
それに対して、動画は見ているだけで概要が直感的・体感的に伝わるのが大きな特徴です。
細かい解説を網羅することよりも、「だいたいこういうことなんだ」と全体像を伝える。概要を理解してもらい、もっと知りたいかを判断してもらい、そこから詳細な情報へ導く。こうした情報導線に段階をつける考え方(HHH戦略の記事でも触れています)において、インフォグラフィック動画は非常に有効な手段です。
だからこそ、あまり情報を詰め込みすぎるよりも、まずは長くても3~5分以内に収まる構成をオススメしています。
加えて、静止画のインフォグラフィックとの違いも明確です。
動画には「時間軸」があります。数値や形状が推移していく様子、動作を解説するアニメーション、原因から結果に至る因果関係。こうした「変化」や「動き」を伝えられるのが、動画ならではの強みです。
情報が段階的に現れ、展開していくことで、視聴者の理解は静止画よりもさらに進みやすくなります。
ひとくちにインフォグラフィックと言っても、情報の性質によって適した表現は異なります。
手法は大きく分けると8つの種類があると思っておりますが、それぞれがどんな情報に向いているかとあわせてご紹介します。
構成検討の際は、まず「伝えたい情報の性質」から表現の形式を絞り込みます。数量の比較ならグラフ、構造解説なら模式図、時系列の情報ならフロー図、項目を列挙するならアイコン?などという具合です。そこに、伝えたい印象やターゲットに合わせたテイストや世界観の演出をかける。この2段階の検討が、解りやすく、目に楽しい動画にするポイントになります。
数値の大小、推移、割合を直感的に見せる、インフォグラフィックの基本形です。棒グラフ、円グラフ、折れ線グラフなど、数字を「読む」のではなく「見る」ものに変える効果があります。
さらに動画にすることで、数字の推移や比較をアニメーションで展開し直感的な理解を手伝います。「こんなに増えているのか」「ここが注目すべきポイントなのか」という気づきを促しやすい表現です。
環境省・サステナブルファッション企画では様々なグラフで伝達。国土交通省様の案件では情報の具象/抽象度に合わせて様々な表現をご提案しています。
構造や空間的な関係性を俯瞰して見せる表現です。地図、断面図、構造解説など。3DCGやアイソメトリック図法(斜め上から見下ろした立体的な表現)などが効果的なのもこの分野。「全体像はこうなっている」「このエリアとこのエリアがこう繋がっている」といった位置関係や構造の理解に有効です。
さらに動画では、移動したり拡大したりという視点変化や、外観から内部へ入り込んでいくような演出が可能になります。
三井不動産TGスマートエナジー様のスマートエネルギープロジェクト紹介映像では、竣工前のビル内部やエネルギーの循環する仕組み、災害時の安全性をアイソメトリック図法で表現。実際にはまだ存在しない建物の内部構造を象徴的なビジュアルで表現しています。
カテーテルが血管を通って患部に到達し治療が進む手順でも、ご予算や伝えたい印象(親しみやすくしたいか、先進性を伝えたいか)によって、様々な表現手法をご提案可能です。
手順や因果関係を、時系列に沿って整理できる表現です。「まずこうして、次にこうなって、結果こうなる」という流れを、動画の時間軸とシンクロさせて見せられるのが大きな利点です。特に医療や技術分野など、工程が複雑で文字だけでは伝わりにくい情報に向いています。
動画では順に展開する演出を加えることで、視聴者は流れを体験するように理解できます。
アイコンを用いたり、図で表現したり、横スクロールで展開したりなど、様々な方法をご提案しています。
複数の選択肢や要素を並べて、違いを際立たせる表現です。ビフォーアフターや、良い例と悪い例の対比など。
動画では片方を見せてから切り替える、あるいは並列で同時に動かすといった演出で、差を印象的に伝えられます。
三井不動産様の件では、従来の設備と新しいシステムの場合で災害時の影響を解りやすく表現。ネットプロテクションズ様の件では、サービス導入のビフォーアフターをアニメーションならではのアクションで切り替えています。
サービスの特徴、製品のスペック、各項目の解説など、複数の情報・項目を羅列的に提示する表現です。
印刷物では表にすることも多いですが、せっかくデザインされた動画にする場合には、なるだけグラフィカルな表現とアニメーション映えする表示をすることを目指しています。加えて、ナレーションは端的に概要を、画面では詳細に表示するなど、聴覚と視覚で情報を補完し合えるのも動画ならではでしょう。
CGや実写撮影の空間上に表示されるなど、単純なリストや表に見えない表現を目指しています。
ピクトグラム的なアイコン(多くは複数同時表示)で表現し、一見して全体像を把握させる表現です。ようは箇条書きですが、グラフィカルな情報が添えられていると目に楽しく、直感的に理解ができます。
動画では、出現時のモーションや移動・拡大によって、情報性を高めると同時に、ハイライトとしても機能させられます。
概念や医療用語など、文字だけではわかりにくい単語も、アイコンがあると短い表示時間でもおおよそのイメージがつきやすくなりますね。
見落としがちですが、単純な文字情報も全体の文脈や世界観の中でしっかり印象づけるというのもインフォグラフィックの大切な要素です。キーワードや数字、メッセージそのものを画面の主役にする表現です。
動画なら文字が動き、変化し、強調されることで、視聴者の目と記憶に残りやすくなります。
キャッチコピーや重要な数字を印象づけたいシーンで効果を発揮。あえて映像タイトルや章タイトルとして粒立てるのも有効です。他の表現と組み合わせて使うことも多く、たとえばグラフの中で特に強調したい数字をタイポグラフィで大きく見せるなど様々な方法があり、単純なベタ打ち以外にどんな方法があるかはよく吟味すべきと感じます。
キーワードを空間上に大きく浮いているテキストで表現したり、数字を空港のパタパタの世界観でグラフィカルに伝えたりして、なるだけ文字を読ませる場合も退屈にならない表現方法を検討しています。
上記のいずれもハマらないメッセージや情報があるとき、実はクリエイターにとってここが最大の腕の見せどころです。笑
私はこれを「お茶を濁すカット」と呼んでおりますが、動画においてはその時間をやり過ごすためにストック購入素材などのイメージカットをフンワリ流すことは”あるある”ではあります。
ただ、こういう時こそ、観る方へのおもてなしの心が問われます。メッセージの世界観を補完したり、情報の羅列ではない何かを感じてもらうために何ができるかを考えるべきと感じています。
省庁の情報発信など、正確な情報性が求められる一方で「また堅い情報発信か」と思われては届きません。「なんかかわいい」「親しみがある」という気持ちで触れてもらうこと、これも伝わるための重要な接点になります。
弊社では政府の発信や都市開発・交通・医療など、”お堅い”案件を多く担当させていただいておりますが、この「おもてなしの心」で、信頼感は保ちながらも親しみやモダンさを感じさせるテイストを目指してご評価いただき、継続的なご依頼やご紹介を多くいただけております。
まずはお気軽にご相談ください
費用のお見積り・企画検討段階からのご相談も大歓迎です。
弊社のインフォグラフィック動画は、業界や目的を問わず幅広いシーンで活用されています。弊社の制作実績から、代表的なものをご紹介します。
航路変更というセンシティブなテーマを、ネガティブにならない表現で市民に伝える情報発信映像。ビジュアルの具象度・抽象度を一つひとつ検討しながら、正確さとわかりやすさを両立させた事例です。
新開発ビルに備わる発電プラントを中心に、街全体のエネルギー循環を解説する映像シリーズ。日本橋・豊洲・八重洲と継続してご依頼いただき、回を重ねるごとに構成や情報設計もより洗練されていきました。
伝えたいデータや情報が多岐にわたるテーマを、映像(概要把握)とLP(詳細理解)に分担して設計。「この情報はどう伝えるのがベストか」を一緒に考えるところからご提案した事例です。
旅客機の機内安全案内にヒントを得た、電車内で上映される情報映像。非常事態をシリアスになりすぎず描きながら、各設備の位置や使い方をわかりやすく表現。アイソメトリックで自然に動く人物CGモデルなど、新しい表現にも挑戦しています。
骨盤内がんに対するカテーテル治療法の研究・普及を目指す医療ベンチャーのブランディング支援。難解な医療情報を、信頼感と先進性を感じるビジュアルで設計。映像だけでなくロゴ・CI・LPまで一貫して制作し、クラウドファンディングで約1,300万円の資金調達にも貢献しました。
インフォグラフィック動画の制作を検討する際、まず整理していただきたいのは次の3つのステップです。
まずは「誰に見てもらうのか」「見た人にどんな理解や印象を持ってほしいのか」。これが以降のすべての判断基準になります。たまにここが曖昧なまま「動画を作りたいです」とご相談いただくこともございますが、目的や情報量によってはウェブサイトが適切ですとお勧めして制作させていただいた件もございます。
目的が定まれば、盛り込むべき情報とそうでない情報が見えてきます。映像は「たくさん伝えること」より「概要をしっかり理解してもらうこと」が重要です。情報を絞ることは、わかりやすさに直結します。
同じ情報でも、表現の仕方ひとつで受け手の印象は大きく変わります。先ほどご紹介した8つの表現タイプの選択に加え、デザインのトンマナや映像全体のテイスト設計がここに含まれます。
この3つのフローを見据えて、予算・納期(コンテンツを使いたい時期)・求めるクオリティといった条件のバランスを見て、ベストな方策を定めていくのが弊社の制作の進め方です。
インフォグラフィック動画は、複雑な情報や数字を視覚的に整理し、見ているだけで概要が伝わるコンテンツです。情報の性質に応じた表現の選択肢があり、目的やターゲットに合わせた設計が成果につながります。
私たち株式会社imagenicは、省庁や各業界の大手企業様のインフォグラフィック動画を数多く制作してきました。その中で大切にしているのは、情報性(情報がきちんと伝わること)と演出性(目に楽しく、信頼感のあるデザインであること)の両立です。
「難しい情報だけど親しみやすい印象にしたい」「先進的だけど信頼感もほしい」「柔らかいけど公式感がある」。そうした微妙なテイストのご要望にも、幅広い表現力で対応いたします。ご予算やスケジュールなどの条件に合わせたご提案が可能ですので、インフォグラフィック動画の制作をご検討の方は、まずはお気軽にご相談ください。
まずはお気軽にご相談ください
費用のお見積り・企画検討段階からのご相談も大歓迎です。

株式会社imagenic代表。映像ディレクター/アートディレクター。
各省庁や大手企業のプロモーション映像の他、ウェブサイト等情報発信コンテンツの企画制作を多数手がける。情報設計から企画・構成、演出・グラフィックデザイン・モーショングラフィックや3DCG制作などまで一貫して担い、難解な概念やメッセージ、目に見えない価値などを「観れば伝わる」映像に翻訳することを得意とする。
直感に訴えるビジュアルの演出性と情報性を用いて、クライアントの課題解決に貢献することをミッションとしている。
May 14, 2026 | Category:journal

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